雪の日の音楽

2006年1月22日 音楽
今日、久しぶりに雪を見た。真っ先に、白川郷や銀山温泉に行きたい、と思った。同時に地中海の暖かく乾いた空気を吸いたいと思った。

日本では昨年、プーさんの人気がミッキーマウスのそれを上回ったそうだ。つまり、癒しの時代。って今更、勝ち誇ったように言うのもアホらしいが、昨今、時代の流れは確実に"脱力"の方向だった。しかしそれもそろそろ下げ止まり。何が言いたいか、というと、「へヴィネス」追求型の時代が再び到来する、ということ。実際のところは、数年前から主にアメリカでその動きを感じる。

哀しいときは、楽しい音楽が、
楽しいときは、哀しい音楽が、
暑いときは、涼しい音楽が、
寒いときは、暖かい音楽が、
重い時代には、軽い音楽が、
そして、
軽い時代には、重い音楽が、
それぞれふさわしい。

ゆえに、今日のような雪の日には、
"Diff’rent Strokesのテーマ"
がおそらくふさわしい。

Now, the world don’t move to the beat of just one drum,
What might be right for you, may not be right for some.
A man is born, he’s a man of means.
Then along come two, they got nothing but their jeans.

http://www.sitcomsonline.com/diffrentstrokes.html
オムニバス
Cocco Mr.Children 橘いずみ 175R 宇多田ヒカル 岡村靖幸 CD ソニーミュージックエンタテインメント 2004/03/24 ¥3,059
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ダンスホール Cocco
僕が僕であるために Mr.Children
路上のルール 橘いずみ
十七歳の地図 175R
I LOVE YOU 宇多田ヒカル
太陽の破片 岡村靖幸
LOVE WAY 大森洋平
街路樹 山口晶
OH MY LITTLE GIRL 竹内めぐみ
闇の告白 斉藤和義
Forget-me-not 槇原敬之
15の夜 Crouching Boys
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「僕が僕にあるために」を100回ぐらい聴いている。尾崎世代。嫌いだったのに、その時はたいした面白くも無かった高校時代の楽しかった時代を激しく思い出す。10代へのこだわりの歌詞は30代の桜井和寿を通してはじめてぼくに伝わった。

So Long,Astoria

2004年4月17日 音楽
ATARIS 2003
ジャケットの表も裏も真ん中も綺麗だ。
メロディーの運びは其の限りにあらず,しかし,パンク畑特有のシンプルなコード使いと勢いは,聴いていて素直に気持ちよい。
上記のメロディーについて書いたことは,運びは強引で決して綺麗ではないという意味だが,実はメロディそのものはパンク畑だとかロックだとかということとはまったく無関係なセツナサが漂う。全編にわたって展開される,届かないものに手を伸ばさずに深く噛み締めるかのようなもののあはれ,見ず知らずの誰かの記憶。もう一度ジャケットを隅から隅まで眺めると,それは自分の記憶になっている。見たことも無いメリケンな車や街路もデジャビュですらありえない俺の記憶。

ドン・ヘンリーのカヴァーも個人的には嬉しい。
OASIS

レビューにもかかわらず恐縮ですが、個人的なことしか書きません。

ぼくは"Don’t Look Back in Anger"のNoelの声をずっと,味を出すためにLiamがわざと下手に歌ったものだと思っていた。
でも考えてみりゃぜんぜん違う声だよねー。

この曲をバイトの後輩O君がいつも歌い上げていたのが印象的。ぼくはいっがいとカラオケで歌ってもつまらない"Stand by Me"をよく歌ってた。OASIS嫌い(大陸育ちの英国ロック嫌い)のshoeもこの"Don’t〜"は「ああいい曲じゃん?」と嫌そうに言っていた。

今更ながらに気づいたのは,イントロがJohnの"Imagin"そっくりなこと。わざとかな。

思えばあのころって朝までカラオケか,朝まで家で音楽聴くか,朝まで白木屋かってとこ。死んでもタクシーなんて乗らなかった。shoeはタクシーに乗れる今のほうが断然良い,あの頃に二度と戻れなくても(実際二度と戻れないに決まってるんだけど)ぜんぜん平気,と言っていた。ぼくは平気じゃないから,こうやって思い出したときになるべく其の時のことを忠実に書いているつもり。でも実際は今のぼくの地平なんだよなー。寝ないぞ。

Smash

2004年4月6日 音楽
The Offspring 1994

Offspringについては結構聴いているがその書誌的事項を良く知らない。だから一般的にどのアルバムがどれくらい売れてどのアルバムがマニアに受けて,などの前知識/バイアスは皆無である。その私がこれぞThe Offspringと思うのがこのアルバム。個人的には,1994年に視聴して即買いしたのがこいつとの出会いだった。何が好きなのか良くわからないけれど,強いて言うなら,liveで客が歌える部分が多いのと,楽曲から勝手にイメージする彼らの世界のビザールさが私の筋腺に触れたのかもしれない。
Aerosmith

まだ買っていない。今日店で見たら値段がほぼ2倍の初回限定版か通常版かで決めかねているからだ。

初回限定版には,ちょうどこのジャケットに描かれているようなブルースハープのオブジェ/キーホルダーがついてくる。もちろん実際に口に含んで(ハァハァ)使えるわけではなく,用途はもっぱらマニアのための(ハァハァハァ)観賞用。

そこで,1つの疑問が沸く。おれはマニアか?
これはエアロスミスへの忠誠度を試すための踏み絵なのだ。
痛くしないで(ハァハァ)。

すんません,ほんとはそんなんじゃありません。

Ground Hotel

2004年3月31日 音楽
Procol Harum

聴くだけで,欧州のとある都市の,由緒正しき高級ホテルの赤絨毯をゆっくりと進んでいる気分に浸れる.もちろん,家臣つきで.

空の飛び方

2004年3月31日 音楽
スピッツ

誰がなんと言おうが,俺の中で「スピッツの1枚」と言えばこれである.難しいことヌキに,理由はただひとつ,好きな曲が多いから."たまご"〜"サンシャイン"まで聴破したあとの,"サンシャイン"の余韻には,ジェロニモの右腕も死んだままだ.

revolver

2004年3月27日 音楽
The Beatles

ここ,そこ,どこでも欠伸.
税金徴収者の鳥も歌えるが,
俺の姿は見えないさ.


違う種類のココロがそこに,
晴天に笑う必要.
嗚呼式が始まったチャペルの中の米のような孤独な人よ.

そして,お前のココロも「壊れています」.
やれることは何でもやる医師に,
彼女は言った「死と悲しみの如何を知っている」と.

simple plan

2004年3月23日 音楽
simple plan 2002/06/12

雪の降りしきるクリスマスイブの夜のような寒さでありながら,明日も各駅停車のたびを続けるサラリーマンに捧げるカナダ産初夏の詩。

ただ歌いたいだけ,
発音してみたいだけの,
どうでも良かった歌詞も,
ecritureに刻んだ途端,
雄弁なモノノフになるのだ.

another day
is going by
i’m thinkin about you all the time
but you’re out there
and i’m here waitin

and i wrote this letter
in my head
cause so many things were left unsaid
but now you’re gone
i can’t think straight

i’d anythin !

展覧会の絵

2004年3月23日 音楽
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):ヘルベルト=フォン・カラヤン/ベルリンフィル

ぼくがムソルグスキー「展覧会の絵」(ラヴェル編曲),特にその中の"キエフの大門"が好きな理由が実は,ぼくがジェネシス"musical box"が好きな理由とまったく同一であることに気づいた。

同一であることに気づいたが,その理由を言葉で表すことができずに困っている。誰か教えてくれ。

ちなみに,これは中1の頃ぼくが生まれてはじめて買ったCDだ。
1987年頃まで,自宅にCDがある家は少なかったように記憶している。

HALF HOUR OF POWER

2004年3月23日 音楽
SUM 41

寒い冬のような日に舞い戻った今こそ,
この灼熱のカナダの音に耳を傾けよう。
凍てつく鼻をアジアに欹てよう。
大丈夫,大きく息を吸い込んでも,鼻腔が凍り,耳が爛れることはないのだから。

オペラ座の怪人,
甲子園の怪物,

The Summer has come !

と思へ。
The Jeevas 2002

本当は別のCD[Do you suck? do you suck? how much do you suck? do you suck?]をレビュっとしたかったんだけど,画像がないからヤーメ。

この曲は一目惚れして,一日に百回以上聴いた曲だ。コベンハベンでオペラのウェイトレスに一目惚れした日に一人ホテルでウタってゐた曲だ。T.Rex風のイントロのカッティングと,"new york"を「ニューヨーク」と正しく発音すること。active suspensionのような早口コトバのretroactive。
Funeral for a Friend CD East West 2003/10/13

エルトン・ジョン風なさみしいバンド名とは裏腹に,澄みきったサウンドが飽和寸前である。彼らの,21世紀英国的へヴィネスのディスクールとしてのカッコ悪さよりもカッコ良さが目だってしまうのが難点だが,それを差し引いても余りある出来の良さ。袋小路のようなコードと,断続的に姿を見せる{0,1}の世界。すなわち,メロディと超越論的声帯作法の音叉。
TVサントラ 1996/05/29

凡庸だがストレートな以下のコトバを言われてみたい。


 

I’m not really sure of the words to say
If only you knew that I feel this way
I wanna give my heart to you
Show me the way that you want me to

憂国ロック

2004年3月11日 音楽
「乾杯」をパンクカヴァーした人って誰?

日本のロック好きの人は飛ばしてください。

日本のパンクって,がなっていればどんなに下手くそでもいいらしい。限度ってものを知らない下手くそさ。はなわは下手でもいいように思ったが,「お前,本気で弾いても下手だろ」っぽいところがうざい。本当はそこそこうまくてでもお笑いだから下手にやらないとなぁという姿勢が,おれは好きだ。

日本語にロックはあわない。日本のヒットチャートをみている限り日本にロックはあわない。日本にはJ-POPと演歌があるのだ。

ロックが似合う言語とは?
→ 英語以外にあるまい。英語以外の印欧諸語もダメ。理由は?
 → もともとロックが英語にあわせて進化してきたため。

おれは英語信者でも日本語卑下者でもないし,むしろ逆だけど,ロックに限っては何が何でも英語なのだ。

以上

The Snow Goose

2004年3月8日 音楽
Camel 1975

ギャリコ"The Snow Goose"の世界を音だけでまるまる表現したという,いかにもプログレな逸品.

お話も刹那過ぎるぐらいせつないのに,彼らの音もすてきにせつないんだ.ダンケルクのオルガンの音が冷たすぎるんだな.

昔組んでいたバンドで音楽的方向性が合わず「俺はプログレをやりたい」って捨て台詞を吐いてサヨナラしたことがあるのだが,俺が脱退した後のメンバーによってボーカル不在ライブで演奏されていたのがこのアルバム中の"Rhayader"という俺が大好きだった曲.キーボードで辱したい.

Blond On Blond

2004年3月8日 音楽
Bob Dylan 1975

Come in, she said,
I’ll give you shelter from the storm.


かつて,似たような言葉を言われたことがあった.しかし,機を逸した.おかげでずぶ濡れになってさらに悪いことにヘンデル風カーリーブロンドのづらも吹き飛んだ.

SO  

2004年3月8日 音楽
Peter Gabriel 1986

[Don’t Give Up]
アルバムを通じて何よりも印象的なのは,"Don’t Give Up"PVのピーター(ガブリエル)とケイト(ブッシュ)が月夜に岩の上で抱きあいながらぐるぐるぐるぐる回って歌う図.曲は睡眠導入に最適であるが,突如現れる壊れたピーターの地声と裏声の「クルイ/キチガイ」は大きな魅力であり,眠りを妨げるに充分である.

[Mercy St.]
There in the midst of it so alive and alone
Words support like bone


このサウンド.

Start Something

2004年3月8日 音楽
Lostprophets 2004/02/02

歴史は繰り返す.US方面で勃興したへヴィーロックとやらが大西洋を越えて再解釈されたのがこの"Lostprophets"や"Funeral For A Friends"である.80年代のへヴィメタルがスラッシュメタルへ与えた影響とはベクトルの方向こそ違えど同じ大きさを持ちながら,北東向きの偏西風が吹き乱れる予感.

もっとも,当の本人たちは「俺たちは誰かに評価されるためにやってるんじゃない,おれたちのためにやってんだ」と威勢良く言い放つことにより,たいていのミュージシャンが立ち寄ってしまう鏡像段階に今彼がいることを儚げにも暴露してしまっている。

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