珍しく劇的な事件が起こった．
家の鍵を忘れてしまったのだ．
深夜の大雨大嵐の最っただ中に傘は反り返り、
己が前髪からは整髪料の二次災害．

「どんどんどん、だれかいますかー、あけてくださーい」

幸運にも玄関の外に置き放しだったビニ傘を取得しとぼとぼ駅へ．しかし、ジョルダン曰く、「上り最終まだ激走せよ」だったで、やる気のない尻黒タクシー会社の前で1分だけ様子を見てダルビッシュ開始せり．

あんなに雨風に当っておまけに自分の家に入れないなんてカナーーリ哀れな自分に酔えるよ．お試しアレ．

ミハエル・バフチン，の新刊を
買った.自由が丘南口の古本屋.
最近買っていなかったジャンルの本.

なんだかやっと，元通りのルーチンに
戻った模様.やっと「独りが良い」と
強がりぬきで言えるように.
でもこう言っている時点で強がり？

強がりを見せたがらないことも，
ある意味強がりだとも思う.
自分に対する強がりが一番わかりづらい.

自己欺瞞，自己陶酔，自己完結.

人は，自己にとらわれすぎて逸脱しやすく，
また逆に自己にとらわれないと，
自らの存在を否定することになりかねない，という
パラドクスの中をひた走らなければならない.
それがいやな人間は時にすすんで死を選んだりもする.

ぼくは，いいやつぶりもしたくないし，
何に対しても無関心を装うということもしたくない，
でも，○○したい，ということが無いのが最大の危機．
小さな○○したい，はもちろんある，
しかし，それらは常に局地的，離散的で，
ぼくの存在自体も離散的時間の中でのみ
顕れるかのような錯覚を覚える昨今.