ペドロ・パラモ

2004年5月14日 読書
フアン・ルルフォ 岩波文庫

直前に読んでいた,カルヴィーノ「冬の夜一人の旅人が」の断章に,明らかな南米文学モノパロディが含まれていたので急遽書棚を漁り掘り当てた。読みはじめて驚き。カルヴィーノの「冬の〜」を読んでいた時、このパロディ元作品はガルシア=マルケスかヴァルガス=リョサのどちらかによるものだろうというアタリを付けていたのだが、「ペドロ・パラモ」のイントロでこれまでの全ての仮定は消え去った、つまりカルヴィーノが本作を元に断章を書いた可能性が高い、と思ったのだ。どうせどこかの暇人研究者が相当前に調べてしまったのかもしれないようなことなんだろうけど。

本作は「いかにも20世紀の南米文学です」という作品。暇人研究者なら「ガルシア=マルケスとフアン=ルルフォがその後の潮流を作った」なんて偉そうに言うのかもしれないけど。

20世紀南米文学から頻繁に感じ取れることは、まず、筋がシャッフルされたかのように思えること、次に、登場人物が多く、かつ、彼らの名前が長かったり、あるいは、複数の名前で指示されること、さらに、男は残虐で、女はモノのように扱われているように思えるところ。暇人研究者なら、これらをして、20世紀南米文学における「普遍的主題」なんて偉そうに言うに違いない。

って別にぼくは南米文学研究者に喧嘩を売っている訳ではないっす.パロディを実演してみたかっただけなんっす.似ても似つかない?はい、そうかもしれないっす.悪しからず.

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