池のかけら
2004年3月22日洗足池の周りを歩いた。洗足池には,つくばプラネタリウムヶ池ではみられない種類の鴨がいた。白と黒がくっきりと分かれている柄の仔たち。多分大人だけど。
池のほとりの公園地区では,気の早い兵ドモが花見をしていた。誰も花なんて観てやしないし,第一花なんぞ咲いていない。
畔を少し離れた小高い場所に,メイン会場があった。もちろんこちらの桜も0.2部咲き程度だったが,やはり気の早い庶民達が軒並み連なる屋台に金を落としていた。
ぼくらは,小さな鳥に感動し,大きな魚に幻滅した。
気づけば,辺りは,プチ・ブルジョワあるいは庶民が連れている犬で溢れていた。池周辺の全人口の3割程度の数の犬がいた。大きいのやら小さいのやら純血やらハイブリッドやら。毛が生え変わる時期なのか,顔以外虎刈りにされた犬が一匹,見るも無残な惨憺たる表情をしていたのは,今日の寒さのほかに,顔が異常に大きく見えることへの違和感があったのだろう。
驚くべきことに,池のほとりに勝海舟の墓があった。
ぼくらは,墓の横の難しい文字を交互に音読した。西郷隆盛や江戸城明渡のことが書かれていた。墓の入り口には,除去されたばかりのスズメバチの巣があった。造園係は一服中だったのだろう。
その後,微妙に閑静な住宅街を縫い歩き,線路を二本認識しながら,馴染みの道へ出た。昔,教科書を売ろうとして「これ、みんな売ってくるから買えないんだよ、すみませんね」と言われた古本屋に立ち寄ると、前日に神保町で1000円で売られていた、伊藤整「青春」が100円で売られていたのでとりあえず買った。この本屋では理工系以外の本はその価値を正当に評価されていないので、客にとってはありがたい。1980年代の「ユリイカ」や「現代思想」なんかが500円程度で売られていたりするのだ。
大岡山で地下に潜り電車に乗った。そこではじめて、目黒線には車掌が不在であることを確認した。
池のほとりの公園地区では,気の早い兵ドモが花見をしていた。誰も花なんて観てやしないし,第一花なんぞ咲いていない。
畔を少し離れた小高い場所に,メイン会場があった。もちろんこちらの桜も0.2部咲き程度だったが,やはり気の早い庶民達が軒並み連なる屋台に金を落としていた。
ぼくらは,小さな鳥に感動し,大きな魚に幻滅した。
気づけば,辺りは,プチ・ブルジョワあるいは庶民が連れている犬で溢れていた。池周辺の全人口の3割程度の数の犬がいた。大きいのやら小さいのやら純血やらハイブリッドやら。毛が生え変わる時期なのか,顔以外虎刈りにされた犬が一匹,見るも無残な惨憺たる表情をしていたのは,今日の寒さのほかに,顔が異常に大きく見えることへの違和感があったのだろう。
驚くべきことに,池のほとりに勝海舟の墓があった。
ぼくらは,墓の横の難しい文字を交互に音読した。西郷隆盛や江戸城明渡のことが書かれていた。墓の入り口には,除去されたばかりのスズメバチの巣があった。造園係は一服中だったのだろう。
その後,微妙に閑静な住宅街を縫い歩き,線路を二本認識しながら,馴染みの道へ出た。昔,教科書を売ろうとして「これ、みんな売ってくるから買えないんだよ、すみませんね」と言われた古本屋に立ち寄ると、前日に神保町で1000円で売られていた、伊藤整「青春」が100円で売られていたのでとりあえず買った。この本屋では理工系以外の本はその価値を正当に評価されていないので、客にとってはありがたい。1980年代の「ユリイカ」や「現代思想」なんかが500円程度で売られていたりするのだ。
大岡山で地下に潜り電車に乗った。そこではじめて、目黒線には車掌が不在であることを確認した。
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