▼いつも,寝る前に酒を飲むと音を求めたくなる。音を聞くと,もごもごした部分の言葉を知りたくなる。という悪循環でパソコンを落とせないまま,半バカ状態で歌い上げている。主に夜間逃避型傾向はi-podから励起されていることはいうまでもない。今ならVWを買うとi-podが自動的に付いてくる。「ねぇアナタ,i-pod付いてくるんだったらBMWやめてVWにしましょうよ。」「そうだな,お得だしな。」

▼"cinema show"と静かに歌い上げる部分,「死にましょう」に聞こえるんだよね。特にphilヴァージョン。二人が乗った超低速リフトは沈んでゆく。垂直に,足指から濡れてゆく。生まれてきてすみません,か。玉川上水,か。

▼中上健次が描く,極端に,句読点の多い,世界が好きだ。エントロピーの増加は,メーテルと,鉄郎の世界に少し似ている。しかし,そこらじゅうに,散りばめられた,聴覚映像にし難いダイアローグに出会うたびに,線形処理が,頓挫する。例えば:

「悪りことするなよ」の"り"
「あそこに天狗がおるど」の"ど"
「好き勝手なことさらす」の"さらす"
「母さんに来てもらうように言うとくさかな」の"さかな"

方言を前面に押し出せるようになるにはきっと,芥川賞ぐらい軽く獲れる実力がなければいけないのだろう,と勝手な仮定を立てて放り投げた。

句読点 ではないが,いつか 柳美里が 分かち書きの 文章を 新聞か何かに 書いていた こと を 思い出した。外国人 向けの 日本語勉強用 雑誌 にも 確か 分かち書き された 日本語が 例文に 用いられて いた。

▼日本語と韓国語はカナリの度合いで似ていると言われているが,1つの大きな違いがこの分かち書きであり,2つ目が,1つ目の違いに影響することだが,文字種の数(あるいはその頻度)である。現代の韓国語では,憶測だと90%以上がハングル文字で占められているのに対して,日本語では,ジャンルにもよるが,漢字:平仮名:カタカナ=6:3:1ぐらいではないだろうか。これに加えて英数文字もカウントに入れれば通常の日本語の書き言葉では4種の文字が混在することになる。そのため,ほぼ1種類の文字が独占する韓国語に比べ,分かち書きの必要性/必然性は下がるのだと読んでいる。

そのような意味では,中国語は大変だ。最近台湾のBLOGを読んでいて気づいたのだが,台湾(中国本土でも)の書き言葉で使われている非英数字の99%以上が漢字であるため,例えば日本語だと"セクシーギャル"と書くべきところで"sexy gal"と書く場合ように,外来語が原語表記されている場合が驚異的に多いのだ。このことは非常に多くのことを物語っているが詳細を述べる元気がない。おやすみ。

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