昔,理科で”前葉体”ってハート型した生き物を知った時
無性にイライラした.
存在そのものがヘドのようで,
しかもそれが「ハート型」なんて形容されやがって,
人体展で観たひからびた陰毛のような顎鬚が垂れ下がってたりするし,
あれならア・バオアクーの方が1億倍美しいと思ったものだ.

そのころ俺はドラクエ3にナマラはまっていた.
小5の時にはじめてドラクエをやった.
蟹歩きなど気づきもしなかったが,
しかし同時に,
夥しく限定された自由度にもどかしさを感じていたことも事実.

小学6年のころ通っていた英会話スクールで仲良しだったヤスは,
いつもどこかの水泳チームのロングコート風ジャンパーを着ていた.
プロレスラーが着るような.
そいつの方が一つ年下だったのに(ということは小5か),女のアソコについてだとかチンコの話だとかは御礼状だった.
まぁそうは言え俺もそれなりにマセてエロだったので,

たちまちロン−ヤスの蜜月が始まった.

ちょうど1987年頃のことだった.
俺とヤスはいつも共謀して,
今の俺からみればうら若き乙女の姿ミズ何某おじょうちゃまを陵辱した.
よく授業中に教室の隅っこで立たされたりもした.
今日はmmaquiはぜんぜんダメだったじゃない,授業中はちゃんと先生の話を聞かなきゃダメよ,
ほら,
そんな顔してると先生いたずらしちゃうぞ♪あ,もうこんなにしちゃって,
mmaquiも男の子なんだから約束守れるよね?
来週は先生の言うこと聞いて授業中はきちんと席につくって約束できる?
いやなの?
約束してくれたら先生いいことしてあげちゃうのになぁ,ほ・お・ら…

最後のレッスンの帰り道(多分雪解汚辱景色の時期),
ヤスが地下鉄東西線西18丁目−円山公園間で一冊の本をくれた.
中を見ると大人サイズの字が詰まっている,
エロ小説だろな,
なんて発想に至るほど俺は成熟していなかったのは俺も人の子等という証拠か.

「ドルアーガの塔(下)−魔宮の勇者たち−」

そこには俺がその時までに知っていた,スライムをブチブチ刺しまくる勇者を上から見下ろすドルアーガの塔ではないことが書かれていた.
春休みに,上巻と中巻を堪能した.この本を読まなければ,きっと,中学の頃,指輪物語や聖書を読むことは無かっただろう.もちろん俺はキリスト教徒ではなかったので聖書は存分に楽しく読めた.やっぱりガキのころからヨハネの黙示録が好きだった.4福音書の最後のルカは手抜きじゃん?とも思った.悪魔の数字666.このおかげでiron maidenが好きになり,文字の世界から一気に遠ざかった.そのおかげで思う存分アホ話友達ができた.

あの日以来ヤスには会っていないし,しばらくしてお互いの政権も交代した.

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