故郷の空と空気と水を思い出した.

小学校低学年の頃,幼稚園時代の同期の家によく親連れで遊びに行くも彼女とはまったく遊ばず彼女の兄とばかり遊んでいた.パックマンや野球カードゲーム等を嗜んだ.大きなパン工場の近くでコケコッコ花が満開だった.インスタントラーメン工場の近くで育ったぼくにとっての工場の匂いは既に「空腹臭」として一義的にインプットされていたが,この時のパン工場の匂いはまた少し違っていた.また,もう一つの匂いの源泉であるべき「白い恋人工場」も近所にあったのだが,あまり匂わなかった.

上流に行き川の流れる音を聞く.
 犬が水を飲む音を聞く.
  人工的な河川敷の終端を越える.
   走り疲れた俺と走り足りない犬.
    日曜の昼間でも人っ子独りゐやしない.

下流に戻り時の流れる音を聞く.
 猫がゴミを漁る音を聞く.
  「お前,元気でやってるか?」
   起き過ぎた俺と二度と会えない犬.
    日曜の昼間でも仕事をするしかない.

今になって感じることのできる匂いとは東西線の腐敗的エアコン臭と金木犀のたった二つになりぬ.金木犀も今年はあっという間に過ぎ去りぬ.花よりも犬こそ徒になりにけれ.

what a feelin !
make believin !

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