仏文
2003年5月9日「眼球譚」 -ジョルジュ・バタイユ-
禁断の初版が文庫化されていたので再読しています.
初読時の驚嘆と昂奮はさすがにありませんでしたが,
改めて読むと翻訳により失われていると思われる
内容が以前以上に意識されます.
以前は「マダム・エドワルダ」と抱き合わせ
でしたけれど,今回は単独です(文庫の場合,他は知らん).
マルキ・ド・サドを想起しますが,
作者の目的,読者の読後感ともに,
それとは大きく異なると思います.
***
「生きている過去」 -アンリ・ドゥ・レニエ-
はじめてこの人を読みました.
全体を通じて,三島が想起されました.
・精神疾患的で内気な主人公
・貴族社会,「労働」に対する嫌悪と希望
・愛国精神論と失われた過去
・ランドマークの火事
・輪廻転生ではないが,先祖の霊の乗移.
小説の主題,インスピレーションという点では,
三島が少し色あせてみえます.(しかし,三島の
表現への評価には影響を与えるものではないと
思います.)
なお,最後の解説では永井荷風とレニエの
類似が論じられていました.荷風は「ボクトウ奇譚」
しか知りませんが,荷風がレニエに憧れていた
のは解るとしても,ぼくには2人の作風に重要な
関連を見出すことはできませんでした.何も関連
を探すことのみが重要なわけではないでしょうが,
なんとなくそれが楽しいのですよ.
禁断の初版が文庫化されていたので再読しています.
初読時の驚嘆と昂奮はさすがにありませんでしたが,
改めて読むと翻訳により失われていると思われる
内容が以前以上に意識されます.
以前は「マダム・エドワルダ」と抱き合わせ
でしたけれど,今回は単独です(文庫の場合,他は知らん).
マルキ・ド・サドを想起しますが,
作者の目的,読者の読後感ともに,
それとは大きく異なると思います.
***
「生きている過去」 -アンリ・ドゥ・レニエ-
はじめてこの人を読みました.
全体を通じて,三島が想起されました.
・精神疾患的で内気な主人公
・貴族社会,「労働」に対する嫌悪と希望
・愛国精神論と失われた過去
・ランドマークの火事
・輪廻転生ではないが,先祖の霊の乗移.
小説の主題,インスピレーションという点では,
三島が少し色あせてみえます.(しかし,三島の
表現への評価には影響を与えるものではないと
思います.)
なお,最後の解説では永井荷風とレニエの
類似が論じられていました.荷風は「ボクトウ奇譚」
しか知りませんが,荷風がレニエに憧れていた
のは解るとしても,ぼくには2人の作風に重要な
関連を見出すことはできませんでした.何も関連
を探すことのみが重要なわけではないでしょうが,
なんとなくそれが楽しいのですよ.
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