夢日記4本立て

2002年12月23日
雪球と鴉

はじめは,
Mが年老いた愛犬のやわらかいご飯を狙う
一羽の鴉を追うところからはじまる.
雪球を投げても,奴は10センチくらい
ちょこんと平行移動するのみで,愛犬から
視線を逸らさない.バカにしやがって.

そのうち,
どうしてか鴉を追い詰めることに成功
すると,とある団地の電信柱に行き着く.
もう雪球ではだめだと判断したMは,
ブレンドを思いつく.こどものころの
常套手段だ.団地の花畑に侵入し,
雪を堀り土を弄り適当な石塊を探していると,
その頃には団地の窓は,奥方らがいっせいに
Mの動向に注目していた.皆同じ程度窓からクビを
突き出す,同じ表情で.

大雪の午前のあとの晴天の午後.
炒飯とインスタントラーメンの匂いが,
Mの鼻先を掠めたとき,一人の奥方が,

「ちょっと,そこの肥料は高いんだからね,
あまりとらないでよ」と早口でまくりたてた.
彼女らは全面的にMの味方ではなかったのか.
いっしゅんの躊躇いがあり,
鴉はその姿を天に消した.

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完全なる休暇.

おぼろげな目で黄色い目覚ましをみると,
12:30だった.これでは午前半休も無理な
時間だ.困った.とりあえずは,会社に
電話をいれるしかない.
「あ,すみません,あの・・遅くなりましたが
今日は…」と言うMのことばは庶務の女性の 
半狂乱の声に遮られる.

「ちょっと,いったい何考えてるんですか?
常識的にMさんは最低のことをしてるんですよ!」

いまだ不確実な意識のもとと雖も,こんな
言われ方はないだろうと思ったが,ここは
こらえて休暇をとることに集中した.

数時間後,Mは部の飲み会の席にいた.
いつのまにかスーツを着て,休暇などまるで
無かったかのようなふりをして?
否,完全なる休暇などなかったのだ.
Mは,「会社に行くか,あるいは,休暇をとるか」
という選択をしたのではなく,
「会社に行き,休暇を過ごした」のであった.
ここに少しも観念的なものはない事を読者には
わかっていただきたい.

飲み会では,R氏がトイレに行っている隙に
誰かが彼の手帳を盗み見ていた.そのうち,
「おい,M君,R氏の手帳に君のことがたくさん
書いてあるぞ,ほらほら」

しかし,MにはMという記述以外の一切を
理解することも記憶することもできなかった.
確かに,Mの文字はたくさんみた記憶は
あるのだが.

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人工物が歪む

酩酊状態になり,一人で乗換駅のホーム
に上がる.
人間は疎らに,新聞などを読んだり
していたが,ホームが常識を超える
ほど狭かったので,一目では疎らは
わからない.
そこでは吊り下げ式のモノレールの
ような電車が走っており,ホームの下は直ぐに
10M下の地面へ通じていた.
電車がなかなか来ないので, ホームの端に
ゆき,下界を眺めようとした途端,
ホームの床がビニルプールの如く
ぐにゃりと曲がり,思わず下へ転落しそうに
なった.すると,他の乗客も皆転落
しそうになり,一斉にMの方を指差し非難する
声が聞こえてきた.

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成長力

双子が誕生した.男と男.
誕生したその日にぼくは彼らが産まれた病院へ行った.
ぼくが病室へ着いた時,双子の一人は既に,
椅子に座っていた.
そしてぼくに話し掛けてきた.
「もう一人はまだ話せないんです.まだ
目もあいちゃいない.」
「そ,そりゃ君,あたり前だよ!
どうして君は話したり歩いたりできるのだ?」
「それはぼくにもわかりませんよ,Mさん」
と彼が立ち上がったとき,
既に身長が180センチを超えていた.

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いつもよりほんの少し長く寝ただけなのに,
どうして今日はこんなに記憶に残る夢をみた
のだろうか.

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